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牧師・漫画家・ミュージシャンの松本太郎のブログ


by qpqp1999

初恋のそのまた先

 私の初恋は小学二年生の時だった、それから年月ながれて私が小学五年生の時。もう、何人か目になる、恋してる女子が同じクラスだった。それは、それは成績優秀、真面目、気立てのよい娘さんだった。
 私はどちらかと言うと、授業中に漫画ばっかり書いていて、怒られている事がおおかった。また、当時の私は髪の毛が今と同じくらい長かった。女子に恋しながらも幼い私は女子たれと感じていたのだった。そんな外見もあって、私は担任の先生から嫌われていた。
 そんなある時、文化祭の展示に私のクラスだけ遅れていて、先生が帰がけに
「先生はこれから残って、文化祭の展示をしようと思います。
さあ、みなさん目をつぶって下さい。」
 と言ってからちょっと覚悟したように
「これから先生を手伝って残ってくれる人は手をあげてください」
と言ったんだむー。

 小五の私は考えた。きっと、私が恋している、あの成績がよくて気立てのいいあの子は手を上げているに違いない。私も手を上げて、放課後を一緒に楽しく過ごすのだと・・・。そして、そっと手を上げた。
 放課後になり、展示する体育館に行ってみると先生が待っている。
すごい怖い顔している。
 私はビビった、これは。。。ワタシの邪心がバレてしまったのか・・どうしようと思った。
そしたら先生は私に近寄るなり、
わたしをギュっと抱きしめて
「ありがとう太郎君、私は今まで、太郎君がこんなに素晴らしい生徒だと解らないでいました」
と言って号泣したのだ。

  ワケが解った。クラスの私以外の全員がそのボランティアに手を上げなかったのだ。あの成績がよくて気立てのいい子も決して手をあげることはなかった。先生 の問いかけにシラっとして誰も手をあげない教室であの劣等生の手だけが上がっていたのには相当なインパクトがあったらしくて。
 展示を先生と二人してやっつけてから、先生は下校する私を誘ってスーパーに行き、
「太郎君の何でも好きなものをいくらでも選んできて、買ってあげるぬ」
  と物凄い気前のいい事を行った。私は普段貧しい牧師家庭でお小遣いなんかなかったので、それはもう、お菓子のカールのカレー味とか、出前一丁とかいろいろ 籠いっぱいにしたが、先生は頬笑みながらそれらを買い、私を牧師館まで送り、私の両親に事の成り行きを感激しながら語ったのだった。
 子供ながらにオヤジカオマケの下心でしたことがコンナ事になるなんて、人生は深いと小五の私はおもったんだむー。

by qpqp1999 | 2015-05-17 18:36 | 性同一性しょうがい