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牧師・漫画家・ミュージシャンの松本太郎のブログ


by qpqp1999

血国の黙示録その4

 前回までで、松阪市民病院の救急外来で、性同一性障碍に対する偏見による嫌がらせのように取られても仕方がない、強引な検査を立て続けに行い、乱暴に扱われた事は書きました。そして、入院するしか選択肢がないように巧妙に引きずりこまれたことも書きました。
 今回は、私がどうやって、この悪魔のような病院から脱出したかを書きます。
入院の夜、断薬されて、これはもう110番通報という手段に出ようかと思ったのですが、残念ですが、日本の警察は私が死ぬとかしない限り、あるいは死んだとしても相手がお国の同業者の病院だったら先ず役に立たないことは衰弱しきった私でもすぐ、解りました。
 こうなったら、もう自力で出るしかないのです。
夜遅くに睡眠薬の投薬がずれ込んだことで、朝の私はまだ目覚めていませんでしたが、消灯は忘れるくせに、朝の点灯は忘れない、用も無いのに「おはようございまーす」と言って看護師が電気をバシッとつけてくる。朝6時半でした。強引に起こされて、しまいましたが、昨晩と違って、天井の模様が、ちゃんと模様に見えます。変な絵に見えたりしません。パレイドリアの状態からは回復したらいしい。
 8時になって、コールして「朝食はどうなっていますか」と訊くと、看護師が「断食の指示が出ていますので」という、仕方ない回診まで待つことにするか、と思うくらいには余裕が出来てきました。ですが、なんか様子がおかしい、どこか怪しいのです。そこで8時半を過ぎてから、またコールして、既にまるまる二日間断食の状態なのだがと言うと、やはり、「先生の指示がないと」と言うので、「では回診の時間は何時ですか」と訊くと
「今日は土曜なので回診はありません」という
 「それでは、先生の指示はいついただけますか」と訊いたら
「今日は土曜なので、先生がこられるかどうか解りません」と言う
いいですか病院の看護師の詰め所の長がその病院の医者が来るか来ないか解らないと言うんですよ、この松阪市民病院は!!!

 これは、もう黙っていては大変なことになると思い、看護師の担当をコールして呼びました。案の定すぐには来やしません。私は、昨日までの大変な状態で髪の毛とかぼさぼさになっていたので、きれいに、ブラシでとかし、姿勢を正して座って待ちました。20分くらいして看護師は来ました。私は言いました。
 「私はね、様子を診ると言って下さったから入院したんですよ、ですが、先生はただの一度でも、この病室に来られましたか?」
 と訊いた、昨日みたいにグッタリしていたり、睡眠導入剤もらえないかもしれないという危機感にさらされている私とはもう顔つきも眼つきも違います。看護師は小さい声で
 「いえ・・・」
と言ったので、私は
「あのね、医師には受任義務というものがあるんですよ。緊急入院した患者を一晩、次の午前中、いや、その次の日も診ないというのは立派な受任義務違反ですよ!訴えますよ本当に!だけど、そんなもめごとを起こすのも面倒くさいですから、状況を進めて下さい」
 と言うと看護師は
「はあ」
 という・・・。それで、私は
「私はね、キリスト教の牧師をしていてね、明日は礼拝があって休めないし、今日は準備しなければならないんです。詰め所にネット端末があるなら、松本太郎で検索してみるといい、私の事がよくわかります」
 と言った。そしたら看護師は
「確認してきます。」
 と、帰って行った、そしたら、いつもコールして30分くらい待たされていたのが、今度は15分くらいで帰ってきて、ちょっと、びっくりしたような顔をして
「先生と連絡つきました、お昼には来られるそうなので、それまで待ってもらえますか」
と言う、昨夜は睡眠導入剤の事一つだけで何時間もかかったのが、今回はたったの15分でケリですか・・・。
「じゃあ、待ちます」と言った。その後、待遇は随分かわった、お茶持ってきたり、水持ってきたり、した。
 そして、昼過ぎになるかな、医師が強面で来たらどう、対応するか考えていた。
 ら
11時前に医師が、おそるおそる部屋に入ってきて、
「ど・・・どどど、どうですか、松本さん、吐き気は・・・、あ、何か食べます?」
 と言うんですよ、断食の指示出したのあなたでしょう!?!?!?何、今更、言ってんの!?!?!?
「いいですよ、もう、ここでの食事は」
 私は医師の目をしっかり見ました。すると医師は
「あっ、じゃあ、胃炎か何かだったということで、お昼前の退院にしますか?」
 と超無責任な事を言う、昨日のあれだけの、拷問のような、検査は何だったんだ!!!
「もう、すでにお昼前ですし」
 と私が言いかけたところで医師は
「じゃあ、すぐに退院の手続きと処置しますね、お待ちください」
 と言って、どっか行ってしまった。それっきり会ってない・・・。
入れ替わりみたいに看護師が入ってきて点滴を抜いたりあたふたしている。やっと体が自由になったので、早々と服を着ていたら、看護師が仮払いだけしていってくれと言う。了承して服を着ていると、また看護師が慌てて戻って来て、手に巻いてある入院用の腕輪を切らせてくれと頼んできた。
 医師が来てからわずか20分で私は病室から出て、看護師の詰め所によって看護師に、預けてあった睡眠導入剤を返してくれるように要求すると、看護師は
「あっ 言って下さってよかった、ええっと、これと、これと、これですよね、どうもありがとうございます」
 と昨日の看護師たちとはまるで対応が違う。ついでにエレベーターまで案内してくれて、ボタンまで押してくれた。ちなみに業務用エレベーターだった。
 降りると、すぐ目の前に清算所があったので、とっとと清算して、タクシー会社に電話してタクシー呼ぼうとしながら出口に向かっていたら、すでにタクシーが止まっていたので、乗り込んで
帰ることにした。
 こうやって、私はこの松阪市民病院から脱出することに成功したのでした。
昨日、ホルモン治療のためにクリニックに行って、いきさつを全部話すと、先生は「胃カメラでしょう?それで便が見えるわけないけどなあ」と言う。松阪市民病院の胃カメラは肛門付近まで到達するような無茶苦茶なことをしたのだろうか、しかし、確かに、胃カメラで「あ、便がある」と言っていたし、ブンブン振り回されながら帰ってきて再度「便をとる」と言って棒をお尻の穴に二本つっこまれて、かきまわされたんだけどな・・・
 クリニックの先生はたいそうムカついた表情で、
「今度、市民病院に言っとくわ」
 と言って下さり、胃薬と、漢方薬を出してくれた。そして、
「その薬が効かなかったら、うちに来てください、松阪市民病院と違う、胃腸の専門の先生に紹介状を書きます」
 と笑顔で送りだしてくれた。こうしてこのシリーズはおしまいになります。読んで下さり、ありがとうございました。
by qpqp1999 | 2014-03-04 18:41 | キリスト教