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牧師・漫画家・ミュージシャンの松本太郎のブログ


by qpqp1999

新訳聖書にけつまづく

 キリスト教に関心をもって聖書読もうとする。旧約聖書だったら、最初けっこう面白い。創世記だ・・・。アダムとイヴの神話とかいろいろ、バビロニアの宗教の影響を受けているのがよくわかるし、話しとしても面白い。
 だけど、旧約聖書ではなくてイエス・キリストの伝記みたいなのを読みたいという人は旧約聖書かっとばして、新約聖書のマタイ書から始まることになる。
 大概の場合この冒頭の
 アブラハムの子ダビデの子の系図と題してガツンと見たことも聴いたこともない名前がずらっと出て来て、それを読まされる。その時点で、面等臭いもう読むの止めようと真面目な人はなってしまう。
 予備知識がないと、超ウザい個所なんですが、実は、これほどオモシロい系図は無いんです。当時の系図では男性、お父さんの名前をズラズラと並べていくだけのものなのですが、マタイ書はここに女性を入れている。これが抜群に面白いんです。
 最終的にはヨセフというよりはマリアに行きつくように仕組んであるんです。本当ならヨセフこそ表舞台に立つはずでしょう、ところが、この一番いい部分をマリアにしている。それどころか、
 本来男性ばっかで、いなければならないのに女性がマリア入れて五人も出てくるんです。
 真っ先に出てくるのがタマルです。この人は売春婦でした。もっと正確に言うと神殿売春婦に身をやつした人でした。一体全体どんな神殿なんだと思ってしまいますが、実は男娼もいてかなりカオスな世界になっていたらしいのです。でも、そんな歴史認識かっとばして、これだけ人から差別されている人を筆頭に持ってくるのです。
 その次の女性ラハブもまた、娼婦としてエリコの街の人から紹介された人でした・・・。そして次に出てくる、キリスト教信者が好き好んでつける ルツ はイスラエルの敵のモアブ人でした。
 しまいにはバトシェバは王たるダビデの不倫の相手です!!!
 つまり、マタイはわざわざ、この一見、退屈な系図を用いて、その信仰の方向性を発しているのです。
イエス・キリストは「汚れ」の中に産まれたと・・・
 これが新約聖書の冒頭部分なのですから、聖書って見逃せないですね。つまり、踏みつけにされたり、差別されたり、苦しめたられたりいる人の立場にたって描かれているんです。もう、単なる「宗教」とか「イデオロギー」とか超えているわけです。
 問答無用で、今、しんどい思いしている、そのあなたに主が働かれることを保証するのが聖書なんです。
by qpqp1999 | 2013-12-29 20:09 | キリスト教