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牧師・漫画家・ミュージシャンの松本太郎のブログ


by qpqp1999

飲酒運転撲滅

 飲酒運転撲滅・・・って・・・。今、巷では当たり前どころか道徳のようにしている日本。呼気1ℓに対して0.15㎎のアルコール反応で即刻免許取り消しという事態だけで、別段、皆が呼びかけなくったって、飲酒運転している人はことごとく自動車社会から抹殺されていくのだから、今更、なんで声高に飲酒運転はアカンみたいなことを言っているのかと思う昨今・・・観ました
 「フライト」というアメリカの映画、ディンゼルワシントン主演、ロバートゼメキス監督の 飲酒運転 をテーマにした映画だ。ロバートゼメキスと言えば、米映画史上初のCGワークによる画像処理で映画を盛り上げた人だ、その筆頭に「一期一会(フォレストガンプ)」があげられるだろう。
 この「フライト」という映画で発信されている興味深いテーマは
呑んだら最後、どんなに見事な運転しても刑務所行き
という、大変興味深いものだ。
 この物語では、飲酒運転ではなく、飲酒飛行が問題にされているのだが、面白いのは、その卓越した操縦力で多くの人を救った人が、アルコール依存症だったため過失致死罪に問われるというものだった。これは単なる、飲酒運転撲滅とリンクするようなものではない。つまり、操縦能力が飲酒時であってもアメリカ一番なのに、たまたま呑んでたから刑務所行きになるという、ぐるぐる思考が惑わされる作品だった。
 ネタばれになるので、これ以上は皆さまには、この作品について、お話しできないが、正直言って、ロバート・ゼメキスはこの飲酒運転という問題と、交通事故という問題の抱えている矛盾に関してメスを入れているということには感動した。たとえば、多くの場合、特に日本なんかは飲酒文化が盛んな国なので、十人に一人くらいの割合でアルコール依存症の人がいるそうだ。検問にひっかからなければ、事故しなければ、どれだけ飲酒酩酊状態であったとしても、その人は道路交通法に違反しないという凄い事実がある半面、二日酔いだけどそれに気づかないで、自動車運転していて当てられて警察が来て、呼気計ったら、飲酒運転になってしまって、被害者なのに免許はく奪罰金五十万円くらいという恐ろしい事態が待っているのだった。
 実を言うと、私の知人で、交通事故で相手を殺してしまった人を知っている。その人は、飲酒運転なんか絶対しないような真面目な人だった。しかし、交差点でぶつかって、相手の人は死んでしまった。えらいことでしょう?
 ところが、この
飲酒運転
という事態が事件を逆転させる。その交通事故で妻と二人の子供を残して死んでしまった人は、シートベルトしていなくて、検視結果として飲酒運転していたのだった。これの、おかげで、事故起こした悪い方のその人は、そうとう法律的に優位になった。つまり、事件当初はすっかり落ち込んでいたが、一年後には元気はつらつ、免許も取り消しではなくもとにもどり、結婚して子供までいる幸せな人になった。その一方で、たまたま、被害にあったその運転している人の御主人が飲酒だった、ばっかりに、十分な補償が得られずに、夫を亡くして、子供二人を育てていかなければならなくなった。どうですか
 どっか、おかしいでしょう、この飲酒運転の取り締まりというのは
 そういう事に、一言っていう感じでこの「フライト」という映画は感慨深いものがありました。よかったら、皆さんもご覧になってください。挿入曲のローリングストーンズが冴えています。ていうか、ロバートゼメキスという監督は音楽の引用に関して非常に長けていると、思った一作でした。


by qpqp1999 | 2013-12-15 17:58 | 交通安全