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牧師・漫画家・ミュージシャンの松本太郎のブログ


by qpqp1999

宮崎駿論考その1

 私の漫画家としての作風に最大級の影響を与えたのは、間違いなく宮崎駿である。宮崎駿は漫画家としては評価は低いものの、やはりアニメーション映画においてはなカリスマとなっていることは間違いない。そこで、ちょうど、昨日、私の誕生日であり、そのプレゼントに「魔女の宅急便」をオーダーして、今日、締め切り明けだったので、じっくり、全篇を観た。
 私が、その映画の評価をする際に用いているユニークな方法がある。それは御歳88歳たる父親が喰いついてくるかどうかだ。こないだ「フォレストガンプ」を観てもらったところ、この長い映画を非常に楽しんで観てくれた。つまり、いい映画だということだ。では、今日の「魔女の宅急便」はどうであったかというと
こうだ
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食い入るように立ったまま30分は観続けていた。もちろん、後に座って、最後まで観て、「構成といい、展開といい、素敵だ」と感想を言った。
それだけの、作品なのだ。
 宮崎駿についていうなら、私が出会ったのは、「ルパン三世」の1だ。じつは、この作品では宮崎駿は大きく関わっているものの、クレジットに名前が出ていない。私は子ども心に、この作品を描いた人はだれかとクレジットを見て大塚康生が作画監督であることから、また大塚康生はその画風を「ど根性ガエル」とか「侍ジャイアンツ」とかに発揮していたのでこの人がそれを創っていると思っていたし、また事実、宮崎駿の先輩として活躍していたのであった。
 そして、ついに1979年に「ルパン三世カリオストロの城」で宮崎駿は初監督になった。実は、最初、監督には前述の大塚康生が候補としてあがっていたが、大塚康生は宮崎駿をおして、ついにこの名作が誕生した。しかし、興行的には完全なる敗北であった。その後、スタジオジブリ作品が鈴木敏夫のプロデュースのもとに「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」と創り上げていった。しかし興業収益は決して振るわなかった。そしてとうとう「魔女の宅急便」でスタジオジブリは終わりになると思われていた。事実、宮崎駿にとっては、それまでの作品でやりたいことはだいたいやったのでノリ気ではなかったというが、それでも素晴らしい作品となった。1989年というバブル期絶頂の日本において、それはちょうどすっぽはまったし、主題歌も松任谷由美の曲を用いる等して、一般受けを狙った。尤も、そういった小細工を超えて、この作品は素晴らしい。
 一つ、面白いことを言うと、宮崎駿の初監督の「ルパン三世カリオストロの城」と「魔女の宅急便」では共通点がいくつも見られる、その最大のものは、時計塔である。そして、もうひとつは映像の高さ、文字通り、地面からの高さにさについての描写が非常によく描かれていて、観ているものをハラハラさせる。そこが、やはり宮崎駿の実力だろう。今日はこの辺で、また宮崎駿論考2をお楽しみに
by qpqp1999 | 2012-11-11 18:44 | 映画